震災より1ヶ月以上経過しておりますが、未だ風評被害などで築地は不穏な空気のままでした。
魚河岸では漁獲高が3割以上減少している状況のなかで、品薄感が懸念される筈なのですが関西方面からの荷が並び、品薄な感じは致しません。
回収される発泡スチロールは以前より数が出るようになった感じはしますが、震災前のような数には至りません。
品が少なくても買い手がいないのが現状だそうで、以前の築地の活気は昔話になって仕舞っています。
青果市場では山のように積まれた茨城産のレタスが目に付きます。
「どこまで我慢すれば良いか見えないよ…?」
「八時を過ぎると場内には人気が全く無くなっている状態だ…。」
「ウチもいつまで保つかわかんないよ。」
そんな言葉が本音から漏れてきます。
以前では外国からの観光客で早い時間から行列が出来た築地で1番人気の「寿司大」さんも、店の前に数人程度並ぶ人影があるだけです。
「たまには寿司にしようか…?」
そんな言葉を投げかけると、しっかり者のナベちゃんに叱られます。
「ラーメンにしましょう。」
静かな景気を諭され、行列の姿だけでなくカウンターに空席が覗ける『大和』さんの前から一路もんぜき通りに足を運びます。
『井上』さんも以前の賑わいは感じられず、築地全体が重い雰囲気に包まれています。
籠を持ち、笑顔で歩く二人のスタッフがBeeの宝物なのでしょう…。
行き場の見えない状況は、築地という日本の台所を暗くしています。