『憧れ』という言葉はとても大切な気持ちの現れだと思います。
人間を努力という試練にまで導き、夢を叶えるという原動力にまでなりえます。
しかしながら…、その『憧れ』という夢を叶えることが出来た瞬間から、残酷なまでに現実という状況を垣間見ることを経験しなければなりません。
今月末でお閉めになるとの噂を聞き、先日の定休日しかお邪魔することが出来なかったワインバーに伺いました。
錦糸町の北口に佇む外装をレンガで装ったこじんまりした主一人のワインバーであります。
主はOL時代の際からお付き合いさせて頂いているのですが、ワインに対する情熱はひとしおであり、将来はワインバーを開業なさるのが夢だと語っていらっしゃいました。
その念願が叶い、一昨年前に自らの城を構え情熱を注ぎ込む場を築き上げました。
『Still Heart』
そう名付けたワインバーには、彼女の想いが満ち溢れ純粋に美味しいワインを提供しようと試みました。
隣のスナックから聞こえてくるカラオケにも負けず、隣接するお店からの料理の香りにも悩みながら…。
しかしながら明日の月末をもって閉店なさる覚悟を決めたそうです。
この時代の不況も影響し、ワイングラスを片手に時を過ごすという余裕のない今日、状況は切迫なさったとのことでした。
やがて完成する『スカイツリー』も180㍍まで伸び、『すみだ』にも大きな風が吹くと期待されながらも現実は厳しいものです。
お疲れ様でした。
色々な事情もあることでしょうが、決断なさる勇気と判断は主でしかわからないかも知れません。
ただ情熱を費やした日々を気持ちの片隅において愛したワインたちを大切にして下さい。
残念ですが…!