また、あの男が偉業を達成しました。
シアトル・マリナーズ『イチロー』であります。
今季には通算2000本安打を成し遂げ、そして9年連続200本安打という偉業を成し遂げました。
彼の持ち味の俊足を活かし、200本達成のヒットは彼らしく『ショート内野安打』でした。ショートに転がったゴロを捕球し一塁に送球しようとすると、彼の俊足はショートの選手さえ送球を諦める快足でした。
メジャーでの記録という中では、一部評価の低さを告げるニュースもありますが…。ただ誰も成し遂げることの出来なかった記録なのです。『パワーが全てであるメジャー』では注目度の低さは国民性の為なのかもしれません。
達成後の記者会見のイチローの表情は穏やかで、私が一番印象に残った彼のコメントは『これで人と争わなくて済む』というコメントでありました。
確かに記録を有する前任者との戦いであったことは当然であります。しかしイチロー自身は己との戦いであったことでしょう。
『天才』と呼ばれ、時には『安物ヒットの量産者』と汚されながらも、彼は自分のスタイルを徹底し成し遂げた記録です。この記録も彼にとっては『通過点』なのかも知れませんが、より一層自分自身にはプレッシャーの掛かる来シーズンが訪れます。
このペースでは40歳まで現役メジャーリーガーであると、通算記録3000本も夢ではないとされています。
『人との争い』から『自己との葛藤』が始まる来シーズンも、この男から目が放せません。