1週間後の迫って焦る気持ちを抑える為にも走った2時間走のご褒美に、浅草ORANE-ROOMにお邪魔しました。
空腹感を満たす食欲が先行するも、仕事柄カウンターに並ぶボジョレーが気になります。
Beeでチョイスしたアイテムしか今年はテイスティングしてないので時節柄迷わずお願いして頂戴してきました。
「アルベール・ビショー」
ボジョレーヴィラージュでなくヌーボーである割に深みがあり、伝統的なマセラシオン・カルボニック製法で作られながらコクのある美味しいヌーボーでありました。
「これに合うのはシャラン鴨…?」
シェフに尋ねるとニッコリと微笑みます。
フランス産の鴨は大半がバルバリー産であり、このシャラン産を使ったシェフの拘りがあります。
シャラン鴨とはこの地方のみの鴨ですから、生産量は限定されています。 シャラン鴨の特徴は、なんと言っても伝統的な飼育法にあります。
職人による伝統を守った手作りの餌(とうもろこしに小麦、マラカス麦、大豆、果肉、糖蜜)
恵まれた湿地帯での飼育方法は世紀を超え今日まで変わっておりません。
子鴨が暖かい飼育小屋にいるのは生後一週間だけ。その後は、大自然の広々とした空間に8~9週間放し飼いにします。
えんえんと広がる湿地帯の中で群れをなしながら自由に走り回ったり、ゆるやかに流れる小川で
好きなだけ水遊びをさせて、必要な栄養分だけを自由に摂取させて育てます。 また、屠鳥方法にも特徴があります。
シャラン鴨は伝統的にエトフェ(窒息)させることにより血液が肉の中にとどまり、
より繊細な肉質で芳醇で野性味あふれる味わいを特徴とします。
(webより)
胡椒を利かしたローストに先代の父親譲りの醤油ベースのソースが良く合います。
やっぱりご褒美には「もう一品」とばかりに「ハヤシマカロニグラタン」を頂戴しました。
こちらも拘りの逸品であり、スプーンを入れ中身に到達すると上に乗ったハヤシソースとマカロニに絡んだベシャメルソースがベストマッチする贅沢な味わいです。
流石です。
ご機嫌な2品を平らげご満悦な気持ちに満足していると、カウンター内の兄弟がいそいそと手を早めて何かを仕込んでいました…?
急に店内の照明が暗くなり
「どうしたの…?」と呟くと
「おめでとうございます。」と差し出されたプレートに思わず感激しました。
先日の私の誕生日の為に用意されたデザートは、マスターである兄の不器用ながら飾られたフルーツが添えられ思いがけないサプライズに感激致しました。
こうしたサプライズが出来るORANGE-ROOMは素晴らしいお店です。
私もBARを営みながらお客様からお願いされながらも未だ実現出来ないサプライズを、即興で演出出来るお店の総合力に頭が下がります。
シェフが煎れてくれた珈琲には、シェフがチョイスして購入した私のフランスでの思い出の作り手のマールを垂らし至福な時間を過ごせました。
改めてORANGE-ROOMの底力を実感して大変勉強させて頂きました。
「ありがとうございました。」
帰り際に立ち寄った浅草寺で来週のマラソンの完走祈願をお願いして、1週間後に迫ったマラソンを一瞬でも忘れられるご機嫌な時間を過ごすことが出来ました。
「完走祈願」