また蒸し暑く辛い夏の訪れがやって参ります。
日本の夏も亜熱帯に近い暑さに襲われるようになりました。
そこで暑さと共に、女性の方々は長く伸ばした髪を短く切られる方と、髪を束ね暑さを凌ぐ方がいらっしゃいます。
その黒髪を纏める為のアイテムに、簪(かんざし)があります。
なかなか男性であります私には縁の無い代物なのですが…、これがまた私の「食べ友」でもある『とんぼ玉作家 小野 遼』に手に掛かると、話は別であります。
前回の二人展の中でも出展があり、実はグラス以上に私の目に留まりました。
ご覧になられたお客様の評判も宜しく、お客様のご注文になられた作品を紹介させて頂きます。
多種多様の簪の中で、やはり小野氏は玉簪になります。
江戸時代に繁栄した種類でありまして、玉の先に『耳掻き』が施されます。
これは現代ではデザイン性を用いて残されているそうなのですが…、江戸の頃には大変な意味を成したそうです。
天下泰平の世となった江戸の中期に商人文化が財を成し、幕府は倹約令を出し贅沢を禁止しようと試みました。そこで『お洒落』に対する言い訳で玉簪の先には『耳掻き』を施しました。『これは簪という贅沢品ではなく耳掻きでござい』と言う洒落から生まれたものだそうです。
元禄時代の町民の繁栄ぶりが現代のデザインにまで残っています。
今年の夏は、暑さ凌ぐ際には『粋な玉簪』で『涼(遼)』を楽しんでみては如何でしょうか…?
お知らせ
『小野 遼 とんぼ玉展』
2009年7月1日(水)~8日(水)
Am10:30~pm7:30
アトリエ ヤマガタ
東京都港区虎ノ門3-21-15
03(3431)8204