土砂降りの雨の中、一人の男の為に花束を買いました。
店先で『男性に贈りたいのですが…、この白い薔薇を中心にお願いいます。』と、近所の花屋で見立てて戴きました。
その白い薔薇の『心からの尊敬』という花言葉を含め、家路を急ぐ人の群れの中、電車に飛び乗りました。
男性が花束を抱えた状況を見掛けると、必ず目に留まります。
電車の席でもホームを歩く最中もその花束を見つめ、その後に私の顔を覗き込みます。
しかし私は決して恥ずかしいと思うことが無く、むしろ大切な方にプレゼントする意味では、男性が花束を抱えて歩く姿は誇らしげに胸を張り堂々と歩きます。
向かう先は、私が尊敬してやまない湯島のイタリア料理屋です。
四年前、日曜日の交通規制を回避する為に、銀座で仕入れをして店に戻る途中で、紹介された蕎麦屋を探す意味もあり通り掛かったのが出逢いでした。
当時はまだ開店して間もない頃でして、そのスタッフの心地よいサービスと、シェフの料理の味にはビックリ致しました。
それから時たまお邪魔するようになり、Beeのお客様にも紹介させて頂きますと皆さん絶賛して戴いております。
その店主が病に倒れ、ようやく現場復帰したとの知らせを聞き、昨夜は地元の親愛なる妹分の誕生会をさせて頂きました。
彼女もこのお店の大ファンであり、久しぶりに共に食事をするのが楽しみでした。
そして、店主であり友人でもある彼の復帰した姿に逢う為に…。
今回の料理の数々は、またの機会にご紹介致します。
湯島 サルタ-レ