このBAR業界では、私の産まれた1966年とはバーテンダーの豊作の年代と言われてきました。
『タリスカ』の内田氏、『オーディン』の菊池氏、『6アベニュー』の山田氏など…、名を連ねると書ききれない程の有名バーテンダーが存在します。
その66世代のバーテンダーの中で、紹介いただくまで絶対に年上の方だと思っていたバーテンダーが居ます。
『LINN HOUSE』の鈴木氏であります。
まだ鈴木氏が南浦和で『ピース』というBARに勤務なさっていた際に、鈴木氏の弟子である「ガスライト」の井口氏に紹介して頂きました。
先輩の浅倉氏のNBA全国大会優勝祝賀会の席でありました。
当時よりNBA埼玉支部長であった鈴木氏は、早くより髪がロマンスグレーであり、まさか私と同じ歳とは思えず落ち着いた紳士の雰囲気をかもしだしていました。
先週の定休日にようやく浦和の地に、『LINN HOUSE』の三周年のお祝いにお邪魔できました。
浦和駅の東口から商店街に入り少し進むと、入口にウイスキーの樽が目にとまります。
扉を開け階段を下りると、鈴木氏の優しく穏やかな笑顔が私を迎えて下さいました。
『ご無沙汰しております。』と、なかなかお邪魔出来なかったことをお詫びすると、鈴木氏は横に首を振り、『お互い様です。わざわざ浦和までありがとうございます。』とやはり紳士な立ち振る舞いです。
鈴木氏の脇には、白のバーコートに身を包んだ新しいお弟子さんが立っていました。
年中無休という営業形態で、また埼玉支部長という役職に就く鈴木氏はプライベートの休日を持たず、お客様の為、協会の為に身を削られています。
その業を苦にもせず、多忙な日々を送られている鈴木氏には頭が下がります。
年に幾度かの大会の際にしか休みを取らないスタイルで、浦和では中心的なカリスマのバーテンダーであります。
鈴木氏の『おもてなし』の精神と、とても楽しそうにメイキングする技術を、新たに弟子に迎え入れた樋口氏に浸透していく事でしょう。
『LINN HOUSE』とは、スコットランドのキースにある石で築かれた伝統あるゲストハウスを名乗ったそうです。
遠く離れたスコットランド・キースでの『おもてなし』の意が、埼玉県浦和という地で鈴木氏の『LINN HOUSE』において受け継がれていく事でしょう。
『遅くなりましたが、鈴木さん三周年おめでとうございます。』